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2014'04.02.Wed

格闘する者に○  三浦しをん 長編

格闘する者に○ (新潮文庫)
三浦 しをん
新潮社
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 おじいさんが恋人で家族は複雑、漫画三昧の編集者になるべく就活をするちょっと冷めた目を持つ主人公は魅力的であり、政治家の娘であるにもかかわらず身近に感じられます。
 彼女にとって将来を左右する就職活動、そこを切り取った作品です。何かが大きく動くという物語ではなく、少しずつ少しずつ家族や周りの人が変化していくさまは優しくも寂しい気持ちにさせられます。
 物語としては特に驚かされたり感動したりはしませんでしたのですがスラスラ読めます。作家の筆力を感じさせられました。
 ただ、私は物語としてはこころを大きく動かされることはなかったので星3つです。

 以下Readmoreでネタバレ感想
 彼女の就活は上手く行かなかったけれど彼女の成長を感じられたのは良かったなぁと。結局彼女の恋人のおじいさんも弟も友達も義理の母もみんなそれぞれの人生や考えがあって、でも互いに影響しあっているという日常がとても淡々と書かれていたのがなんとなく読んで読後感がいい。就活が上手く行かず自殺してしまう若者も多いが、そういった人に読ませたい作品だなぁとか思った。母と彼女と弟は本質的に似ているところや、家族がなんとなくギクシャクしていたのがいつの間にか修繕されていた感じはすごく現実的である。そして、そこがとても心地良かった。就活に関しては面白おかしく書かれていて楽しい。ちょっと気楽に読む分にはいい作品だったなぁ。ただ、最後の西園寺さんとの別れは電車の中にもかかわらず泣いてしまったのが恥ずかしかった……最後手紙を書くと終わるところが人は孤独ではなく、つながっているんだなぁなんて思えていいよね。
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